2003年のGMS、SMの中間期決算は、冷夏の影響もあり、各社とも非常に厳しいものとなっている。
特に大手GMS4社はイオンがかろうじて増収となったものの、他3社は減収減益、イトーヨーカ堂でさえも39.3%の減益と大きな痛手を負った。ダイエーは売上で1割、利益で4割を超える落ち込みとなっており、単体売上でイトーヨーカ堂を下回る予測になっている。西友も厳しい状況が続き、経常赤字におちいっている。
一方、地方のGMSは好調。イズミヤ、平和堂、フジが増収増益となっている。
SMは食品部門を中心とすることで不況下にも増収増益を続けてきたが、ここに来てオーバーストア化が如実に現れてきた。大手で中間期増収増益はマルエツとオークワ。GMSに比べると数字は悪くないが、転換期に差し掛かっている。
ロヂャースなどのDSが最寄率を高めるために生鮮・日配品を導入。ドラッグストアも酒免許自由化にともない、日配品や加工食品の品揃えを強化している。こうした異業態との競争が価格勝負となっている一方で、SM内では、生鮮の加工サービスや惣菜など高コストなサービスが差別化ポイントとなっている。こうした売上と利益のバランスをどう考えていくかがSMの生き残り戦略で重要になっている。
部門別にみると食品部門が牽引する構造はますます顕著になっている。
右の商品分類別売上高伸び率を見ると、GMS4社、SM7社の衣料部門は全てマイナスとなっている。
食品はヨークベニマルが8%増、イオンが5%増、マルエツが4%増と中間決算での増収企業3社が大きな伸びを示している。西友、ライフにしても、衣料、住関連に比べれば、落ち込み幅は小さい。
アメリカの本来のGMSと日本型GMSとでは、「食品を扱っている」「PB商品比率が低い」という決定的な違いがあり、別業態とすべきだという意見もある。だが、今、日本型GMSが抱えている脅威は、実はアメリカのGMS業態が崩壊した時の外的要因とほぼ一致する。
アメリカのGMS崩壊の要因は、(1) GMSの中道業態化(価格)、(2) 小商圏業態による商圏侵食、(3) カテゴリーキラーによる切り崩しといわれているが、ようは、「高級感も無く低価格でもなく、日常的に必要なものを買いに行くには広すぎて利便性が良くなく、いざ欲しいものを買いに行こうと思うと、専門チェーンの方が品揃えが充実しているので、GMSに魅力を感じない」ということである。「何でもあるけど何もないのがGMS」という言葉は、まさにGMSの弱点をついている。
GMSの生き残りを先の課題から考えると
(1) 脱中道業態化
(2) 商圏設定にあわせた店舗戦略
(3) カテゴリーキラーとの競争回避
ということになる。
(1) の脱中道化であるが、ウォルマート、イオンの目指すスーパーセンターはローコスト経営で、大きな意味でのDS化の道を進む。イトーヨーカ堂の「量から質」への転換は高級志向へのシフトが読み取れる。
(2) の商圏設定であるが、西友、ダイエーは、これまで小商圏対応しかできないフォーマットの店舗も無理やりGMSとしての品揃えを重視してきた。その結果、食品SMに最も商圏を切り崩されたのもこの2社である。ここにきて、2社ともがSM業態の強化を明確に打ち出してきている。ダイエーはマルエツのノウハウを借りながら小型GMSの4割をSMに転換すると発表した。
イオンの商圏戦略は大商圏と小商圏の2本柱。ひとつが、これまで増えていた大商圏のショッピングセンター内GMSである。集客力のある専門店をテナント化し、その核店舗となることで大商圏を維持する。もう一つ、今後のフォーマットとして位置付けているスーパーセンターは通常、小商圏でその需要を全て刈り取るという戦略をとる。ただ、品揃えから見ると、小商圏では成立し得ない紳士フォーマルなどの品揃えがいくつか見られ、今後のMDが注目される。また、東雲店は、食品売り場とマンション急増というエリア特性に合わせたベビー・子供用品への特化という小商圏都心型店舗としての実験を行っている。
イトーヨーカ堂の出店戦略はドミナント出店であり、エリア基幹店は大商圏を見据えた品揃え(八千代店のフォーマル強化など)を行い、エリア内の各店舗では、日常利用を意識した食品強化を図っている。
(3) のカテゴリーキラーとの競争回避は明確に表れている。
最近の新店で家電を自社で大きく扱っているところはほとんどない。ダイエーは自社のパレックスを廃止、家電量販のベスト電器に売場を引き継ぎ内包化した。住み分けMDとしては、季節家電や小物家電中心でPB商品を展開する。GMSに来る主婦が買えるものを品揃えするというのがポイントだ。
ショッピングセンター型のGMS出店の場合、価格帯をずらしたMDを行う。最近ではイトーヨーカ堂の八千代店で、ニトリの低価格ホームファニシングに対し、中高級MDで差別化を図っている。
ドラッグに対しては、イオンがイオンウェルシアというドラッグストアグループを作り、既存ドラッグストアと共同でMDを行い、ノウハウを吸収するという新しい展開を見せている。
|
2003年中間期決算 |
2003通期予想 |
営業収益 |
増収率 |
経常利益 |
増益率 |
営業収益 |
増収率 |
経常利益 |
増益率 |
GMS |
イオン |
853,572 |
3.8 |
9,045 |
-32.1 |
1,770,000 |
4.0 |
29,500 |
-12.8 |
イトーヨーカ堂 |
737,789 |
-2.0 |
15,312 |
-39.3 |
1,540,000 |
0.8 |
42,000 |
-14.7 |
ダイエー |
708,943 |
-12.7 |
5,135 |
-43.7 |
1,430,000 |
-8.2 |
16,000 |
10.1 |
西友 |
381,829 |
-3.9 |
-3,436 |
- |
650,000 |
-17.0 |
500 |
-50.7 |
イズミヤ |
161,591 |
0.6 |
1,924 |
0.5 |
331,000 |
4.3 |
13,000 |
2.8 |
平和堂 |
155,662 |
0.7 |
4,158 |
17.5 |
322,000 |
2.7 |
3,800 |
17.8 |
フジ |
149,677 |
2.9 |
1,276 |
10.5 |
310,000 |
1.4 |
10,000 |
22.9 |
SM |
ライフコーポレーション |
189,386 |
-0.3 |
1,811 |
-21.9 |
379,000 |
0.7 |
4,100 |
1.2 |
マルエツ |
167,391 |
2.7 |
2,572 |
2.4 |
338,000 |
3.6 |
5,300 |
5.3 |
ヨークベニマル |
140,935 |
5.2 |
5,072 |
-2.0 |
282,900 |
5.4 |
11,100 |
4.9 |
東急ストア |
131,327 |
-2.6 |
1,797 |
17.0 |
266,000 |
-1.7 |
3,800 |
15.6 |
オークワ |
106,699 |
0.1 |
3,004 |
18.0 |
218,000 |
0.9 |
6,700 |
11.3 |
いなげや |
91,531 |
-4.3 |
883 |
-31.8 |
183,500 |
-2.7 |
3,350 |
-10.0 |
マックスバリュ西日本 |
85,358 |
3.6 |
1,318 |
-30.7 |
176,000 |
4.4 |
4,500 |
0.3 |
カスミ
|
81,719 |
3.2 |
2,354 |
-20.8 |
164,000 |
2.5 |
4,100 |
-21.6 |
|
(Chain Store Age 03年12月1日号より作成)
|
GMSに比べ、SMは食品を中心に小商圏の生活密着型の運営を行ってきたため、好不況の影響も少なく、昨年まで業態として安定した成長を見せてきた。が、この2003年上期の中間決算を見ても、転換期を迎えているといえる。
その理由の第一は、SMがオーバーストア化していることにある。これまで業績好調だったスーパーは、各社が積極的な出店計画を組んでいる。また、高級スーパーもさらなる積極的な出店姿勢をみせている。成城石井は大阪進出に加え、ラクーアなど駅前好立地への出店を強めている。クイーンズ伊勢丹も郊外型店舗を出店してきた。
一方で、GMS小型店のSM化はダイエー、西友を中心に今後も進んでくることが予想され、イオン東雲店にみる都市型イオン新フォーマットもSMと直接競合してくる。
もうひとつは、他業態からの進入である。酒類免許の自由化に伴い、非食品チャネルであったドラッグストア、ホームセンター、ディスカウントストアが次々と食品の強化を打ち出してきている。ミールソリューションでは一日の長があるとはいえ、最寄率の高いドラッグストアが食品強化をもくろむことは非常に脅威となってくる。
こうした状況の下で、SMがその優位性を保つには、従来の生鮮3品+惣菜、日配という生鮮5品を中心にした食品部門の再活性化が軸となってくる。
次に掲げる項目は、SMだけでなくGMSも含めた最近の食品部門の再活性化のための施策である。
(1) 対面販売の強化
精肉、鮮魚コーナーでは壁面をガラス張りにし、中の加工の状況が見えるようになっている。売り場の中央に店員がいて、かつての肉屋や魚屋のような威勢のいい声が店内に響いている。イトーヨーカ堂の新店錦町店では青果の対面販売も始まった。
(2) 加工サービス
サミットでは、鮮魚のほかに野菜類の前処理も行っている。鮮魚での加工サービスが消費者の加工技術の不足をサポートするものであるのに比べ、野菜は作業手間のサポートである。例えば、「小芋の皮むき」といった大した技術がいるわけではないサービスでも要望があれば受けてくれる。
(3) バラ売り、箱売り、丸売り
消費者のニーズに合わせて、野菜は1個から箱売りまで品揃えされる。鮮魚コーナーでは魚の丸売りが増えてきた。店頭の鮮度感を高める効果は高い。
(4) 惣菜売り場の強化
スーパーの惣菜売り場と言えば、前日の売れ残りで作ったものというのが数年前までの常識だった。が、CVSをはじめとする中食市場の急成長を受けて、より積極的な惣菜の品揃えをするチェーンが増えてきた。
(5) メニュー提案
メニュー提案ではヤオコーがやはり圧倒的に強い。素材・材料と調味料とメニューでの提案がいたるところで実施されている。また、お勧めメニューはキッチンサポートコーナーで実演してくれる。イオンのクッキングサポートでは実演を栄養士が行っており、栄養面でのアドバイス(一緒に食べると良いもの)をその場で行ってくれる。
(6) クロスMDの強化
クロスMDは各食品メーカーから条件に頼らない企画ということで、数多く実践されている。最近の新店では主通路の幅を大きく取り、主通路内で上述のキッチンサポートコーナーと冷ケースで島を作り、ひとつの売り場として完結させているケースが増えてきた。
(7) 地産地消
SM、GMSにおいて今、もっとも関心があるのが地場の野菜であり、肉であり魚である。また、日配品でも地元の有名店とのタイアップが増えてきている。
これらの7つのサービスに共通するのは、生活ソリューションである。これを政策の主軸におくと、地元密着がより求められ、個店経営が必要になってくる。こうした政策をとるチェーンでは店舗の権限を強化していくのだが、一方で、チェーンとしての強み、優位性をどのように発揮するかという戦略が重要になってくる。
企業名 |
注目される戦略 |
イオン |
(1) スーパーセンター、都市型フォーマットによる首都圏侵攻
(2) ODBMS(オープンデータベース・マーチャンダイジングシステム)を利用した自動補充システムとメーカー直取引による中間物流コストの低減B
(3) グローバル10(世界のトップ10入り)を視野に入れた合従連衡戦略 |
イトーヨーカ堂 |
(1) 生鮮、日配、惣菜での対面販売の強化A
(2) 「Made in Japan」「美味百撰」などの高価格PBの開発
(3)04年度からの年10店程度の積極的な出店計画 |
ダイエー |
(1) マルエツとの人材交流、仕入・物流・販促の共同化、店舗オペレーション、出店・改装他の戦略的連携による小型GMSの構造改革
(2) 自前主義から決別し、外部テナント(電気・衣料・サービス等)を積極的導入 |
西友 |
(1) ウォルマート流経営〜実務に向いた組織体制の変更
(2) ロールバックをはじめとする販促先の徹底とウォールマート型陳列 |
マルエツ |
(1) 首都圏の10%の市場を獲得する「リージョン10」構想
(2) 都市型24時間店舗(CVS+生鮮・惣菜)のフーデックス |
ライフコーポレーション |
(1) 250店舗5000億企業を目指す拡大路線
(2) 地域の暮らしに合わせた5業態での店舗展開 |
ヨークベニマル |
(1) 商圏特性に合わせた個店経営の推進
(2) 単なる値引きとなるポイントカードの否定(お金ではなく知恵をだす) |
ヤオコー |
(1) エブリディ ライフスタイルアソートメント型スーパーマーケット
(2) 小商圏高頻度来店の店づくり |
|
2004年の流通業における注目は次の2強の対決である。
(1) ウォルマート VS イオン
(2) イオン VS イトーヨーカ堂
ウォルマートの戦略がすぐに結果に結びついてはいないことは西友の決算報告にみえる。今後、ウォルマートは得意のスーパーセンター業態で東北、九州といった地方での出店を強化すると見られているが、オペレーションをどう構築していくかが焦点となる。迎え撃つイオンも、東北でサンデーと九州でホームワイドと組み、スーパーセンターでの攻略を目指す。
もうひとつの国内2強対決は、EDLP VS高付加価値・対面販売というGMSの脱中道化における2つの方向性の戦いである。04年度から10店舗ずつの大量出店を計画するイトーヨーカ堂の出店フォーマットには、対面販売強化という方向性が示されており、これに沿って出店エリアにあった売り場作りを目指している。今後のポイントとなるのが高付加価値PBの定着。昨年末より発売された「美味百撰」は、まだ過渡期にある。
対するイオンは都心型GMSとして衣服を大幅に縮小した東雲店をオープンさせた。加工食品、酒、飲料などEDLPの単品大量陳列による買い得感と生鮮3品・惣菜強化による店頭のにぎわいで、集客力を高める。
イオンのODBMS(オープンデータベース・マーチャンダイジングシステム)もカテゴリーを広げて稼働し始めた。自動発注方式は、本部が販売情報や天候・催事情報などをベースにあらかじめ設定した店舗ごと・SKUごとの基準在庫量を基に、日々の変化要因を織り込みながら発注を行うもので、先行したアパレルでは、在庫高が13%減少・ロス率が0.4ポイント低下し、粗利益は、0.2ポイント上昇した。在庫日数が長いアパレルでは、日々の販売量の予測がしやすい。これを加工食品や日用雑貨でも展開できるかが鍵を握る。ただ、この展開、まだまだ成果をあげるには至っていない。むしろ混乱の様子が店頭から見て取れる。
GMSとSMの今後の戦略上の争点とそれに対するメーカーの動きを次ページの表にまとめている。これらは大きく次の4つに分解される。
まず、チェーン間の合従連衡がどう進むか。イオンや西友-ウォルマートのEDLPはグループ企業の参加を前提に動いている。各メーカーは地域密着とチェーンオペレーションの徹底の中で、各企業の意思決定構造を把握しなければならない。また、中心となるチェーンでの本部との共同取組体制が組めるかどうかが全国の傘下企業との取組を左右する。
2つめに、物流改革、売場のIT化といった、商品が消費者に渡るまでのコスト削減をどういう優先順位で行うかがチェーンの競争力を高める。メーカーの物流、システム担当者も後方支援部隊としてではなく、得意先の課題解決をミッションに前線に出て行く必要がある。パートの社会保険枠の拡大については、人事部同士の接点という新たな取組の可能性もある。
3つめは、こうしたコスト削減とは逆に消費者の満足を高めるためにコスト増になる取組が店頭での差別化を生むということである。生鮮5品の売場拡大、対面販売などの人的営業力の強化、24時間営業を各チェーンが志向している。メーカーの販促活動もこうしたチェーンの差別化ポイントを理解し、生鮮連動できる売場提案やマネキンのレベルアップ、夜間MDなどに取り組んでいかなければならない。
顧客戦略は単なるポイントカードから優良顧客作りのFSPへの転換が求められる。いまや取組商談には、FSPの進捗や今後の方針確認は欠かせない。
4つめに店頭に並んだ商品の品質を高める活動として、PB商品開発、トレーサビリティ、地産地消商品がある。メーカーからの提案には、カテゴリー内でカテマネを行うカテゴリーインカテゴリーも増えてきている。トレーサビリティは全メーカーの基本姿勢として求められるようになってきた。
このようにSM・GMSの課題は広がっており、単に担当営業がバイヤーと商談する、自社商品の露出を最大化するという活動では、売上確保はままならない。メーカーは、営業部門、本社商品開発、物流、システムという全関与者が得意先課題解決のために行動していく時期に来ている。
競争上の争点
|
注目されるチェーンの動向
|
求められるメーカー対応
|
(1) SM間の合従連衡救済、グループ内統合から大手同士の連携へ
|
イオン:ポスフール、カスミ、いなげやとリージョナルSMへの出資増やす
マルエツ・丸紅:リージョナル10構想の下、首都圏SMの連携強める
住友商事:西友―ウォルマート、サミット、マミーマートと川下志向 |
吸収合併などに伴う意思決定権の移動のチェックと中心のチェーンとの共同取組体制の構築 |
(2) 物流改革卸介在型流通と小売主導流通 |
イオン:ODBMSによるチェーン主導の自動発注システム
平和堂:卸のセンター運営とメーカー直結の連続自動補充システム
菱食:三菱商事と連携するCPFRを活用した需要予測システム |
物流、システムまで含めた総合営業力が問われる。メーカー販促費の削減は、製販間のトータル物流コスト削減が課題となる |
(3) PB商品強化低価格PB一辺倒ではなく、高付加価値商品開発 |
イトーヨーカ堂:産地・原料・製法にこだわった美味百撰77アイテム
イオン:トップバリューにおいしさ・素材・製法にこだわったセレクト登場 |
他店との差別化を追求したこだわり商品の提案や、こだわり商品コーナー(カテゴリー・イン・カテゴリー)づくり提案が重要になる |
(4) 生鮮5品(日配・惣菜)価格訴求でなく差別化できるフィールドとして重視 |
生鮮部門の拡大により、相対的に加工食品、日用雑貨の売場は縮小。スパイス部門など生鮮コーナーに定番棚が導入されるケースも目立ってきた |
生鮮部門の関係を深め、商品を生鮮売場に出していく、あるいは、元の縮小する定番売場の省力化貢献取組を進める必要がある |
(5) 地産地消地元生鮮の強化 |
地域密着のリージョナルSMはもちろん、大手GMSも地元取れたて野菜やエリアの銘柄肉、近海産の海産物を店頭に並べ始めている。 |
地元JA、漁港、日配メーカーと取り組んだエリア密着の販促テーマ発掘 |
(6) 社会保険適用枠拡大週20時間を超えるパートの活用方法 |
パートタイマーへの社会保険枠拡大により、厳選したメンバーで準社員化し社員同様の仕事を任せる層と週20時間以内の労働集約型パートの2層に分かれる |
準社員化するパートへの商品情報、販促上のポイント、陳列方法などの教育売場提案から山積までのカテマネサポート |
(7) 人的営業力強化消費者に情報を咀嚼し伝達するコンシェルジュ |
イオン:鮮魚士、惣菜士など13の社内職人制度の導入
イトーヨーカ堂:生鮮、日配、惣菜での対面販売の強化 |
試食・試飲販売も単に味を確かめてもらうことから、機能面の説明や生活提案要素を重視した人材が必要 |
(8) 深夜営業・24時間営業夜間需要の取り込み |
マルエツ:24時間営業の都市型店舗フーデックスの出店増
イズミヤ:深夜営業店を4店から27店に7倍増 |
時間帯別の顧客特性に応じた、夜間のマーチャンダイジング、クロスMDの視点 |
(9) FSP対応有料顧客囲い込みのための |
オギノ:個客の購買履歴データ分析を行い、キメ細かな販促を行う
サボイ:固定客の来店頻度アップを目的としたまねき屋システム |
会員データ分析を伴うFSP取組、固定客増、再来店増などの優良顧客を増やすための販促提案はより重要なテーマになってくる |
(10) 売場のIT化電子棚札、ICタグ、無人レジ、液晶モニター |
イトーヨーカ堂、カスミ他:電子棚札導入により定番POP削減マルエツ:産地、メーカーからレジまで管理するICタグ実験
イオン:柏市のマックスバリュ松ヶ崎にセルフレジ導入
サミット:サミットビジョンによる市場情報や販促提案 |
紙媒体の販促ツールから、ITを活用した販促が増えていく。店頭での動画配信もこれまでのCMの連続放映から消費者の課題解決へと変化が要望される |
(11) トレーサビリティ安全・安心を追求するために必須の要素に |
生鮮売場では、パソコンを使ったトレーサビリティシステムが導入される
イトーヨーカ堂:顔の見える野菜 自宅で生産履歴をみることができる
東急ストア:店頭の生産者履歴検索システム「トレースナビ」 |
原料、資材すべてにおけるトレーサビリティが必要となる。原料メーカー、産地への定期的なチェック機能も欠かせない |
|
※本提言論文は、「営業力開発」誌 2004・No182号(編集発行:日本マーケティング研究所 執筆担当:チャネルマネジメント)に掲載されております。掲載文は以下のU〜Xに続いております。
U.CVS 寡占化構造の進展と、オリジナル商品の拡大
−生活サービス産業としての「事業構築力」競争−
V.ドラッグストア 10兆円市場に向けた、ソリューションビジネスへの拡大
−グループ化による他業態との差別化進行−
W.家電量販 単品集積の寡占から顧客アクセスの強化へ
−商品選択支援のための都市型MDの戦い−
X.ホームセンター 厳しい経済環境下でも力強く成長
−ホームセンターの熾烈な業界盟主取り競争−
|