@ S.Martin (1993)参照。
A 物的製品と情報の2財の無差別曲線を想定すると粗補完関係を想定することができる。広告による情報提供は、代替効果と所得効果を通じて、物的製品への需要を拡大させるとみることができる。
B 野口悠紀雄(1974)参照。
C ここでいう情報サーチ(検索)コストには、情報の収集コストだけでなく、収集した情報から初期の目的のものを選別するコストも含まれている点に注意していただきたい。
D 「情報消費社会」とは、選択消費が家計支出の過半を超え、生産の第三次産業比率が過半を超えている社会と捉えている。松田(2003)参照。
E 「国内WWW統計調査 第7回速報」(2001)、アプライド・ブレインズ社調べ。
F 「ネットコミュニケーション事例研究調査報告書」(2003)、JMR生活総合研究所。
G 「公共的情報」とは、@社会的限界費用がゼロ、A利用者の排除不可能性を満たすことだとされる。野口(1974)。生活の知恵や知識などがこのふたつの観点から公共的情報であることは言うまでもない。
H 「しっぺ返し戦略」とは、「繰り返し囚人のジレンマ」ゲームで、「最初は協調(cooperation)をとり、以後、相手の前回の行動と同じものをとる」という戦略である。
I フリーライダーの問題は、消費者が情報提供をうけた企業から購入しないで他の企業から購入するという可能性を持つ。こうした状況で、企業間がシェア競争を行うと、「囚人のジレンマ」ゲームに陥り、両者とも公共情報を提供しないという均衡が成立する。このゲームの前提となっているのは、消費者がゲームの構造を理解して自己利得の最大化を目指しているということである。しかし、実際の実験においては、囚人のジレンマゲームにおいて、「裏切り」が、自己利益が相手の戦略に依存した状況下で最適であるにもかかわらず「3〜6割の参加者が協力行動を選択する」という結果が報告されている。このことから実践的には懸念するほどフリーライダー問題は消費者からは生まれない、ということを示唆している。山岸(2003)参照。
xi 松田久一(2003)「消費社会の戦略的マーケティング」所収。