小売のサービス化
07年10月、日本で最大のサービス会社が誕生した。郵便局株式会社である。その年間売り上げは20兆円にもなるといわれており、その展開メニューも膨大である。
物販市場に比較して、サービスマーケットは年々拡大している。コンビニエンスストア、最大のセブンイレブンではnanacoカードをはじめ37のサービスを実行している。
07年2月期では、電話料金など公共料金や通販代金の取り次ぎ金額は2兆4000億に上り、弁当などの商品年間販売額2兆5000億とほぼ同じである。07年8月中間では、こうした取り次ぎは物量で13%、金額で27%増となり、物販売上総額を上回った。
弁当などファーストフードも広い意味ではサービスであり、それを含めると、セブンイレブンの売り上げの3分の2はサービスといえる。
ナショナルブランド商品は、同じブランドなら、どのチェーンでも同じである。プライベート商品においても、その差は消費者からみれば、よくわからない。物販には、常に他の店との差別性を表現しにくいという問題がある。一方、サービスでは接客やスピード、技術レベルにおいて、違いが明確である。また、サービスの質によって価格が異なることも、消費者には理解されている。
オーバーストアや、他業態との厳しい競争に明け暮れている小売業にとって、サービスマーケティングは他の店との違いを明確にする、重要な課題となっている。
郵便局株式会社の登場は、様々な金融・通信サービスの差別化競争を生み、消費者にとってはより便利なサービスを選択することができるようになるだろう。
小売のサービス化も、また顧客に対する価値の提供という競争をより進化させるであろう。
予約販売サービス
近年、季節歳時に対応した「予約販売」が活発である。先の、セブンイレブンのホームページでは、クリスマスケーキ、「おせち」をはじめ「年越しそば」「オードブル」、DVD、チケット、年賀状など予約商品の案内でいっぱいである。
この1年の「予約販売」について、新聞記事を拾ってみると以下のようになる。
06年12月18日 |
年末商戦真っ盛り おせちは高級品が好調 |
12月22日 |
節分の縁起もの、「恵方巻」1部コンビニで、はや予約開始 |
12月22日 |
大丸ピーコック、2007円の恵方巻を限定販売 |
07年1月8日 |
コンビニ各社、恵方巻予約開始。具材の質高め |
1月10日 |
ファミリーマート「冬の土用の丑」、うな重販売 |
1月15日 |
食べて楽しむ雛祭り 犬用ケーキも登場 |
1月31日 |
スリーエフが駅弁・空弁販売・予約受け付け |
3月2日 |
花見の準備を早めに 弁当集合場所に配達 |
3月7日 |
ハンカチ王子 六大学野球チケット予約前売り |
4月2日 |
レッズ応援弁当、ファミリーマートで予約受け付け |
5月2日 |
コンビニエンスでうなぎ弁当の予約開始 |
6月26日 |
デイリーヤマザキ高級果物、産直販売 |
7月22日 |
阪急百貨店、8月からおせち予約開始 |
9月22日 |
ボージョレ予約開始 |
10月1日 |
予約クリスマスケーキ各社出そろう |
10月17日 |
ダイエー、おせち、1週間前倒しで予約開始 |
1年間、コンビニ、スーパー、百貨店では予約の案内であふれている。また、なんと気の早い「前倒し」の多いことか・・・。
昨年のクリスマスでは、大丸東京3割増、東武池袋でも1割上回った。
「おせち」では、名古屋のヤマナカで、「2万〜5万円の高級品の動きが良い」、バローでは「早い時期から予約が入り、高級品の注文が好調だ」と話していた。
「七草粥」は、イトーヨーカ堂で4〜5人前を想定した580円パックを準備し、前年の1割増を計画していた。
人気となっている「恵方巻」はセブンイレブンで、昨年の3割増447万本、ローソンは1割増の250万本、ファミリーマートも3割増の計画であった。
ファミリーマートやセブンイレブンは、さらに1月19日冬の丑の日にうなぎを食べようと予約販売行った。
このように限られた時期しか販売してなかったものを、期間を拡大して販売する向きもある。サークルKサンクスは、夏に限定されていた。冷やし中華を2週間から1カ月前倒しで販売した。冬の定番の「おでん」も、ファミリーマートやセブンイレブンでは通年で販売する店を増やしている。
雛祭では、抗アレルギーのケーキは一般化し、セブンイレブンでは犬用のカップケーキまで販売した。さらには、自分用に購入する女性の需要を見込んで1〜2人用のケーキも準備した。
中国産の安全性に不安があった土用の丑の日のウナギは、国内産の限定数量予約により従来より高いものが売れた。
昨年、売れ残りが大幅に出たボージョレーヌーボでは、今年の発注量が二桁割れし、早期予約特典や、ワイングラス、オープナープレゼントのプロモーションで対応した。
「恵方巻き」や「バレンタイン」など、メーカーや流通の手による「需要創造」が歳時マーケティングであるが、さらに、新たな需要や、購買動機を開発している。
今年のクリスマス・おせち
今年(07年)の首都圏におけるコンビニエンス、GMS、食品スーパーの「ボージョレーヌーボ」「クリスマスケーキ」「おせち」の予約販売パンフにも、変化が見られる。
「ボージョレーヌーボ」では、昨年の低迷がたたって、仕入れの質量とも慎重さが伺えた。特徴的なことは、どのチェーンも「ジョルジュデュブッフ」に収斂してしまったことである。ヌーボで圧倒的に強い「ジョルジュデュブッフ」ではあるが、あまりにも差が見られなかった。各社とも、先に触れたようにプロモーションを強化したり、パスタ、チーズ、生ハムなどの関連商品の強化に走った。
やや似た傾向になっているのが「クリスマスケーキ」である。昨年までは著名ホテル、パティシアが次々と登場していたが、今年のチラシはそのトーンが下がった。しかも監修に登場しているのは坂井宏行シェフや石鍋裕シェフ、土屋公二シェフなどに収斂している。やや、アイディアに行き詰まった感じがある。
しかも、昨年も12月24日も今年も休祝日であるため、ファミリークリスマスを想定した3〜4人用を中心にするところに変化はなかった。
今年のクリスマス需要の変化は「多品種化」だという視点もある。セブンイレブンは抗アレルギーケーキや、愛犬用ケーキの他、人気になっているカップケーキなどのアイテムを増やしている。ローソンも、昨年の18アイテムから23アイテムへと増やした。さらに、イオンも42アイテム大幅に増やした。
価格帯にも多少変化が見られる。3500〜4000円未満のアイテムが増え高価格へとシフトしている。(図表5参照)
しかし、最も大きな変化は、「ホームパーティ」を意識している点であろう。各社とも、ケーキ以外の「フルーツポンチセット、カットフルーツ、オードブル、パーティー握り&手巻き寿司、ローストビーフ、ローストチキン・・」などの品揃えを強化している。この関連メニューにも、著名デリのホテルや名店の名が上がっている。いわば単品の「デコレーションケーキ」の予約販売から、12月24日の「クリスマスイブ」を楽しむ「メニュー」という色彩を強くしている。これなら、家族全員、不公平なくクリスマスイブを楽しむことができる。「クリスマス」が「お取りよせ」になった。
「おせち」は、すっかり「お取りよせ」になっている。「おせち」の価格帯は、昨年は39%が1万円未満で、「ちょっと手を抜きたい家庭」のものであったが、今年は1〜2万未満が40%を占め、さらに2〜3万未満も28%となっている。結果、1〜3万未満の「おせち」は、昨年52%であったが、今年は68%と大幅に品揃えを増やしている。(図表7参照)
首都圏のGMS、CVS、食品スーパーで予約販売された「おせち」の中で、一番高いのは「東急・プレッセ」の「なだ万・お節重詰2段重」の157000円である。イオン、紀ノ国屋と続くが、注目されるのはマツエツが、上位に8アイテムも並んでいることである。新保克典、我田民生、譚彦彬、宮本雅彦、高瀬健一シェフなどの手による逸品が並んでいる。
ここでも「ホームパーティ」を意識したメニューが取り上げられている。セブンイレブンでは「サラダオードブル、サンドイッチセット、彩りばらちらし寿司、日本酒、スパークリングワイン、ワイン、年越し二八なま蕎麦、年越し海老天鍋蕎麦、年越しカップ海老天鍋蕎麦」が品揃えされ、先のマルエツでは、「にぎり寿司、おもてなし寿司、お刺身盛合わせ、真鯛姿入りお刺身盛合わせ、お刺身短冊セット、馬刺し盛合わせ、ふぐフルコースセット、とらふぐ刺しセット、ふぐちりセット、北海道紋別加工浜ゆでかにづくしセット、北海道紋別加工浜ゆでたらばがに、仙台牛ロース(すき焼き・しゃぶしゃぶ用)、前日光和牛ローストビーフ(もも)セット・・」と、もう立派な「お取りよせ」である。
「宅配」のポータルサイト
かって、ampmや、西友、イトーヨーカ堂が「宅配」をテストしていたころ、顧客から見てそのサービスはさほど独自性があったわけではなかった。悪く言えば、かっての業種小売業が細々とやっていた「配達」と代わり映えのしないものであった。「ご用聞き」ほどの積極性もなかった。ただ、手詰まりの状態の中で、徐々に「宅配」を宣言するチェーンが増えていった。
その結果、業種小売業の衰退にあってなくなってしまうだろうと思われていた「宅配」が、業態小売業によって復活している。
インターネット上では、デリバリーサービスを手がける6400店のポータルサイト「出前館」がある。
このサイトが使いやすいのは、こうしたポータルサイトにありがちな、ローカルな加盟店だけではなく、ケンタッキーやほっかほっか亭、ピザーラ、ピザハット、すかいらーく、今半、ナポリの窯、イズミヤなど大手チェーンも加盟している点である。
さらに、予約ができる「予約館」、困ったときのサービスの「駆けつけ館」などがある。
「予約館」では、ケンタッキーやモス、ピザーラ、ロッテリア、すき家などが参加しており、「駆けつけ館」では、修理、リフォーム、バイク便、造園、ホームヘルパー、害虫駆除、マッサージなどが登録されている。
ユニークな「出張回転すし」などのサービスも登録され、ケータリング需要にも十分対応がつくサイトである。
「ぐるなび」も宅配専門サイト「ぐるなびデリバリー」2500店を運営、。、楽天も1000店以上の「楽天デリバリー」を開いている。
「宅配サービス」における日本一は生協である。日生協の発表によると、1995年268億円だった「個配」が、2004年度は5902億円にまで成長している。05年度では14%増で7000億、さらに、06年度では13.5%の増加で8000億となっている。やがて、「宅配1兆円」を達成するであろう。
商圏で「宅配サービス」のポータルサイトになることを目指しているのが、「ネットスーパー」である。2000年に西友がスタートし、次いでイトーヨーカ堂が実施した。その後、しばらく各社とも実験にとどまっていたが、昨今、急速に「拡大」してきている。
現在実施しているのは、イズミヤ、オークワ、西友、イトーヨーカ堂、マルエツ、いなげや、三徳、関西スーパー、ユニーなど、大手チェーンでの展開が目立つ。
西友は、都内から周辺部へと拡大、東京都13区・12市は全域で展開し、47店舗が拠点となっている。
イトーヨーカ堂では、東京7区、7市で全域展開している。
ふたつのチェーンとも、会員制で展開しており、おのおの11万人が登録されているという。中心は30・40代の子持ち世帯で、単価は5000-5500円と、店頭での客単価の2.5倍ほどにもなる。
お届けする商品は、やはりペットボトル、米、清涼飲料・ビールのケース売り、洗剤類、おむつなどかさばる商品が多いという。
しかし、これまでのテンポは鈍かった。「1日60件あれば」という基準をクリアできない店があるからだ。
日経MJでは、コンビエンス企業の51.9%が「宅配サービスの計画はない」という報告をしている。
「宅配」の事業化
GMS・スーパーの「宅配」は、その多くは既存店舗事業の補充的な販促手段ともいえる策である。「ネットスーパー」では、注文はインターネットで受け付けても「商品在庫・配送」は店舗事業に依拠している。
こうした小売業の「宅配」に対して、デリバリーサービスの先輩である「外食産業」は、もう少し積極的である。これまで「寿司・ピザ宅配」など、「宅配事業専門」の業態が開発されてきた。
外食産業も全体としては市場シュリンクの時代にあり、市場創造は企業にとっては大きな命題である。
大手外食チェーンで、「宅配」に積極的に取り組んだのが「すかいらーく」であった。既存店舗からの配達という形で98年から「ガスト」「バーミアン」も含め1200店で「宅配」を実施していた。その売上は150億円にものぼるとされてきたが、昼食時に配達と店舗のピークタイムが重なるため、大変な混乱をきたしていた。
そこで07年4月に、宅配専門業態「AFD:オールフーズデリバリー」を田無に設立した。周辺の「ガスト」などの注文を集約する。
モスバーガーは、06年から手数料200円をとって「宅配」を初め、1割にあたる184店舗で実施してきたが、来年3月期までに380店舗に拡大する。これまでの実績では客単価1850円、常連率30%で、宅配月商が300万を上回った店が4店舗あるという。
今年1月には、宅配・持ち帰り専門店「モスバーガーデリバリーキャビン」の実験を江東区の北砂で始めた。想定月商は600-700万円、スタート1ヶ月は300万円にとどまったが、客単価2200円で手ごたえを感じているという。
「リンガーハット」も、06年福岡緑ヶ丘で「宅配複合店」を開始し、現在で10店となっている。さらに、「宅配専門店:リンガーズ行徳」の実験に入っている。リンガーハットが手がける「長崎ちゃんぽん」と「とんかつ・浜勝」の両方のメニューをデリバリーする専門店で客単価2500円、月間目標150万円を目指している。
ホテルも「宅配事業」に積極的にチャレンジしている。「ホテイチ」で有名になった、大阪リーガロイヤルホテルは、今年4月家庭料理宅配事業「ベース:Base21」を開設した。「1日3食7日間、21食の家庭料理にふさわしいリーガロイヤルの食」をコンセプトに、初年度1億円を目標としている。
「ホテイチ」で有名になった「グルメブティックメリッサ」は年間35万人が利用しているとされ、その相乗効果も期待している。昨年からのテスト期間では、1日200件の問い合わせがあり、クリスマスでは1000件以上の注文があったという。客単価は1万円だったという。
ホテルオークラは、ホテルに入っているレストランメニューを、月一度宅配する「グルメレストラン」を始めた。オークラは、テイクアウトの「シェフズガーデ」の業態をもち、さらに03年からバイク便の宅配サービスを始めており、毎年二桁の成長で推移しているという。
阪急百貨店のグループである、「阪急キッチンエール」は、入会金1500円、月会費500円を支払う2.8万人の会員を獲得し、定番季刊カタログと週1回のカタログで年間1万アイテムを提供している。店舗からのお取りよせではないため、同社独自の開発・品揃えが可能で、それが人気を呼んでいる。06年度の売上は52億円で、前年比6%増で推移しているという。
三越も、有機農法を手がける千葉「大地」と連携して、生鮮を宅配する事業を展開している。「ホテイチ」資産のホテル、「デパ地下」資産の百貨店など、「食の宅配事業」は、その業態・会社の資産活用の事業といえよう。その限りにおいては、たやすく他に真似られるものではない。
シニアマーケットに大きな期待
「宅配」において、先の「生協」と同じように、大きな産業を形成していたのが「牛乳宅配」である。すっかり忘れられたような業態であるが、近年「V字回復」だという話を聞く。
牛乳販売店は1万店とピーク時の半分、牛乳の生産量も低下している。にもかかわらず、牛乳の宅配登録店は600万件と、15年前の1.5倍に回復しているという。(全国牛乳流通改善協会)その中心層は中高年で健康を気にする人々である。
ローソンは、「ローソンプラス」というシニア向けのコンビニエンスを開発している。
品揃えは、「マチにあわせた品揃え」を強調し、
- 「野菜」、「果物」コーナーを設置(国産品を中心に常時約50品目)
- 「生花」コーナーを設置(約8品目)
- 焼きたてパン(店内で毎日焼上げるパン約10品目)
- おかず惣菜(店内のフライヤー揚げる惣菜:コロッケやカツなど)
- 105円均一価格の日配品・調味料・菓子・冷凍食品(一部商品除く)
などであり、和菓子などの品揃えも多い。ローソンでは07年度中に全国で600-700店舗開設するという。
コンビニエンスストアは「中高年」の購買行動に関心をもっている。
セブンイレブンは、50代・60代のエルダー世代のコンビニエンスの利用状況をまとめた。
セブンイレブン来店客の平均年齢は、36.6歳で、10年前に比べ、5.5歳上昇しているという。明らかに、中高年の来店が増えたということである。
ほとんどの中高年が「コンビニエンスで弁当おにぎりを購入したことがある」としており、「弁当、おにぎりを食べる場面」では、「1人」と回答したのは、50から60代男性で、77.0%、同女性52.3%、60代女性は45.7%と最も高いシチュエーションとなっている。
そして、「産地と安全性の徹底した安心弁当・安心おにぎり」「健康面をサポートするいきいき弁当・ヘルシーおにぎり」などが求められていると報告している。これが、現在の中高年のイメージである。
「単身」というと、若い世代をイメージするが、実は現在の「単身者」の半分以上は、「50歳以上」である。しかも、「女性」が多い。さらに、その「女性単身者」の消費は、決して「男性」に劣らない。
また、「団塊世代世帯の4割は、パラサイトシングルを抱えている」という報告もある。その「シングル」の多くが「女性」である。そのことから、「夫婦・特に母親と娘」の関係が、友達のようで、お互い贈答の機会が多いという。
ここに、現代の「宅配」の構造がある。こうした社会構造が従来型の若者・男性を客層としたコンビにエンスを苦しくし、宅配のニーズをより高度化しているのである。
宅配=中高年という単純な図式がある。足腰が不安、外に出られない、重たいものは苦手など、ネガティブな面からのターゲット適正をことさら強調する論がある。しかし、こうしたターゲットには介護ヘルパーや、福祉団体が存在する。あえてスーパーや百貨店に頼む必要はない。
「どこにでもあるものを重たいから運んでもらう」という「宅配」は、多分採算が合わない。お客も「大いなる感動」を覚えない。
逆に「家庭まで送って欲しい」と思わせる「商品・サービス」が、初めて「宅配」を意味のある手段にする。
そのターゲットが、「エルダー・シニア」だということである。
「専門性の高いサービス」
農家、漁港、牧場から、加工所・厨房を経て、家庭までを価値のあるものとして、サプライチェーンとして繋ぐ、これが「宅配」らしさであり、価値である。
「らでぃっしゅぼーや」は、全国の珍しい野菜や伝統野菜を集めた「いと愛(め)づらし」の試食会を開いた。
先の千葉「大地」は全国の地場野70種類を扱う「とくたろうさん」のブログを開設した。
オイシックスは、塩田跡地などで栽培された、「甘い」塩トマトの扱いを再開した。
先に触れた、夢の町創造委員会による。「出前館」では、31万人の医師が登録するソネット・エムスリーのサイトにリンクをはり、「宅配サービス」を提供始めた。
医師とシェフが協力して、「ダイエット食」を宅配する「ドクターキッチン」という会社が立ちあがり話題となっている。
冷凍食品の「ふうどりーむず」は、糖尿病治療で定評のある高雄病院(京都市)と提携し、食事療法のメニューを提供している。
「どこにでもあるもの」ではない。あくまで、自らの資産を活用した、「どこにもない・専門性の高い」商品・供給サービスが「宅配市場」を成長させている。
「生協」の「個配」も、その手段が便利だからではなく、そこで提供される商品が、自分にピッタリだから、「生協らしい」から成長しているのである。
チェーン小売が「サービス」を取り入れてきていること、このこと自体は顧客にとってはありがたいことである。しかし、それだけでは「価値」にならない。対価を頂戴できる「サービス」とはならない。
大いに話題となっている「予約販売」も、「サービス手段」が便利だからというだけではなく、そのMD・商品が、そのチェーン・店にしかない、専門性の高いものだから、市場が創造されたのである。小売の「専門性の高いサービス化」、これからが楽しみである。
冒頭に触れた、日本最大のサービス会社、どこが「らしさ」なのか、これからが面白そうである。
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