営業力開発誌

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最新号

■「バリューコンシャス」

日本における2024 年5 月の消費者物価指数は、2020 年を100 とすると108.1。前年同月比では2.8%の上昇となる。一方、アメリカにおいては、前年同月比3.3% と日本より上昇率は高いが、時系列的には鈍化している。ちなみに、ビックマックの価格を比較すると、日 本は480 円、アメリカは平均5.29ドル(160.8 円/ドル計算だと850円)となる。このように、アメリカと比べると、日本の物価上昇率は低いが、食料品を中心とした日用品の値上げが続き、消費者の体感する物価高意識は高まっている。そういった市場背景も受け、今回のテーマであるPB(プライベー トブランド)は売上を伸ばしている。但し、これらの売上伸長は、価格コンシャス(低価格志向)だけではなく、低価格は前提としてありつつ、「自分にとって価値があること」も理由にある。例えば、フランクフルト大学の研究によると、PB を選ぶ時は、「衝 動的ではないが、計画的でもない」「買いだめをしない」という傾向があるという。このことから、PB には、「その時に、必要なものを必要なだけ買いやすい」という「価値」が、価格の前にあると言える。その「価値」は、個人によって様々だとは思うが、その中でも、 「(今いる場所に売っている)利便性」「(ストアが保証している)品質」「(ストア独自の)差別性」が、PB に期待される価格以外の価値であると考える。そこで、本稿では、PB に対する意識や事例調査を中心に、新たに生まれてきているPB の「バリューコンシャス」について、考察をし ていきたい。


営業力開発 2024 Vol.2 No.246

価格だけではない、進化するPB
日本におけるPB の歴史
PB 展開のメリット・デメリット
■弊社独自調査
生活者におけるPB 認識・選択意識
■企業事例
「セブンプレミアム」強さの源泉と価格訴求型ブランド投入の狙い
SPA 型の商品開発が売りのクイーンズ伊勢丹「THE FOOD」
レギュラーPB に加え、生鮮PB で復権を目指す「新生・西友」
PB の付加価値強化による利益率の改善を狙うウエルシア
健康にフォーカスしたPB で新たな需要をつかむ