女性が消費の鍵を握っているとはかなり前から言われている。草食男子と揶揄される最近の若い男性を尻目に、
女性はますます元気で活発である。しかしながら、まだまだ本当に女性心理や購買行動を理解して戦略を組んで
いるかと言うと甚だ疑問である。まぁ、こんな感じかなぁ?程度でお茶を濁しているというケースが多く見られる
■家族でシェアするモノの購買決定権を握る
家庭消費財の8割を女性がブランド決定しているという調査結果がある。特に食品や日用品など日々消費する購買
頻度の高い商品はそうであった。それが、最近では耐久消費財など価格の高い商品でも決定権は女性が握るという。
子供のモノ、ご主人のモノ、さらには親のモノまで女性が選んでいる。この代理購買の実態は販売戦略に大きな影響
を与える。もちろん広告戦略もだ。また、男性も奥さんの許可が無ければ買わない。このプレゼンが仕事のプレゼン
より厳しいという事もある訳だが、誰に向かって価値を提示して納得させるか。難しい問題である。使用者と購入決
定者が異なる。それぞれの価値観がまた違う訳である。単純に性能が優れています!というような訴求では済まない
のである。
■男と女は違う
「スペックにこだわる男性」「イメージにこだわる女性」と言われる。当然ながら情報収集の方法もポイントも違う。
さらには、「モノ」にスポットを当てるのか、「私」にスポットを当てるのかという事でも、そのアプローチ手法は
大きく異なる。実際にはその両方のアプローチを用意しておく必要がある。ただ、女性へアプローチして共感を得れば、
その効果は何倍にも拡大する。「口コミ」の話題に載ればその拡散効果は果てしない。この「口コミ」にいかに乗るか。
難しい問題である。
■女ゴコロをつかむには?
女性はモノをゲットすることが買い物の終わりではなく、その先の幸せを手に入れるための手段としてモノを買っている
ということだと言う。その「幸せ」って何だろうか? ハッピーな気持ちになったりワクワクしたりという事だろうか?
女性は、1人で何役もこなしている。母、主婦、娘、OL 等々・・・様々な横顔を持っている。そして、その顔それぞれ
に求める価値観が異なる。顔によって「幸せ」の基準が違うのだ。それぞれに違う価値観を提示し、受け入れて貰う必要
がある。しかし、逆に考えれば、ビジネスチャンスが顔毎にそれぞれあると言うことである。男性だとひとつしかないチ
ャンスが女性だと複数存在する訳である。しかもターゲットは1人である。
そのように考えれば、女性へのアプローチはいくつかの方法を考えることができる。同じ商品であってもそのシチュエー
ションが異なればチャンスが生まれてくる訳である。しかし、それは大変難しいことである。簡単にはいかない。やり過
ぎれば逆効果もあるだろう。
■恋する気持ちで
女性のものは女性が考える。というのは尤もであるが、男性が一生懸命、女性のことを考えて作ったものはきっと受け入
れられるハズである。若い頃に大好きだった彼女に、必死で考えて受け入れられようした時の事を男性陣は思い出すのが
いいかもしれない。「恋する気持ち」こそが女性に受け入れられる最大のポイントかもしれない。世の男性諸氏はぜひ頑
張って欲しい。