家電製品、家電販促の企画だけでなく、女性の目線・生活者の視点でアドバイスをしていくことが
「顧客視点アドバイザー」であり、また、製品情報を伝える際は、最新のリリース情報だけではなく、
一般の人にはそこから読み取れないことも伝え「家電で困っていることがあれば何でもお手伝いしますよ」
という思いから、「家電コンシェルジュ」を名乗る。
■2013年の家電キーワード
2013年の家電のキーワードは三つである。
一つは、「多機能から『シンプルな高機能』へ」。
今までの日本は、家屋が狭いこともあり、何でも一つのもので全てを担ってきた。
しかも、それが大型化する傾向にあった。ドラム式の10kgの洗濯機、500〜600Lの冷蔵庫、
等々。それらは大ヒット商品にはなっていない。注目すべきは、シンプルだけれども決し
てチープでなく、独自の機能性を備えた高機能な商品である。
二つ目に、特に顕著だったのが「新しい価値の提供」である。それは、物自体の魅力だけ
ではなく、それをどのように誰が使うか。そこに新しい価値があることを明確に提案でき、
伝えられたのか。それらが上手くできていた製品はヒットした。
三つ目は、「買い増し」です。今年2月の終わりに「買い替えではなく、買い増しという新
たな可能性」を提唱した。当初は、まだ消費とは買い替えだという意識があり、「買い増しで
はなく、買い足しではないか」「買い増しって何?」という反応が多く、新鮮な言葉だった。
これは同じ分野であっても少し違う視点のものを、買い替えではなくプラスして購入するという
新しい消費動向だと思っている。
■注目したヒット家電
これら三つのキーワードから当てはまるヒット家電商品は、例えば「フィリップスのノンフライヤー」、
フルーツを使うスイーツメーカー「ドールのヨナナスメーカー」「デロンギのミニコンベクションオーブン」
「タイガーのタクックシリーズ」、コードレスのスティッククリーナー「ダイソンのDC62」と「エレクトロラ
ックスのエルゴラピード・リチウム」「ケルヒャーの窓用クリーナー」「ハイアールやシャープの冷凍庫」、
ワインセラーの「ドメティックのマ・カーブ」等である。
■2014年の家電キーワード
まず「簡単&ヘルシー」。「簡単」とは何でもかんでも時短であればいいという事ではない。つきっきりで
見ていなくてもよければ、たとえ時間がかかってもおいしくできることを優先する。例えば、圧力鍋で作った
シチューと長く煮込んだシチューとではやはり味が違う。「時間仕事」という言葉があるように、時間をかけ
たものはおいしい。これからは調理家電を使うことで、手間をかけずにどれだけおいしくできるかが大事にな
る。ヘルシー志向の中で、高機能で高価格のジューサーやミキサーが本当によく売れている。野菜・果物をた
くさん摂ってヘルシーでいたいという健康志向は根強くあり、次の流れとしては、調理家電のスープメーカー
に注目している。
買い増しの消費も、いよいよ定着した感がある。シンプルかつ高機能はシンプル=コンパクトでもある。
生活がコンパクトになり、一人暮らしや二人暮らしだと大きい物は使いづらいので、家電に限らずコンパク
トでも高機能で使い易いは、シニア向け商品としても、まだまだ大事なキーワードである。
最後に、買い増しの傾向として、多機能で大型の商品ではなく、暮らしに必要なコンパクトなものを利便性
のために足していくと考えると、デザイン性は重要である。ただし機能はさておき、デザイン的に美しければ
いい、尖って注目されればいいという少し前の「デザイン家電」ではない。使っている時はもちろんのこと、
使っていない時でも、そこにあるだけで愛着がわく、常に自分の周りに置いてうれしいと思えるという意味で
の「うふふ家電」である。